
段ボール什器とは|紙でつくる組み立て式のディスプレイ
段ボール什器とは、段ボールを主な素材としてつくる商品陳列用のディスプレイです。ダンボールディスプレイ、紙什器とも呼ばれます。平らな状態で納品し、売り場で組み立てて使う形式が一般的です。
売り場の棚に商品を並べる場合と違い、什器そのものが商品の居場所をつくります。通路の端やレジ前など、本来は陳列棚のない場所に売り場を新設できる点が大きな特徴です。
店頭で果たす役割
段ボール什器は、商品を置くための台であると同時に、売り場の看板でもあります。側面や天面に印刷したデザインが、通路を歩く買い物客の視線を引き寄せます。
新商品の発売、季節のキャンペーン、期間限定の価格訴求など、売り場を一時的につくりたい場面で選ばれます。設置と撤去が短時間で済むことも、採用される理由のひとつです。
他の素材との位置づけ
什器の素材には、紙のほかにアクリルやスチールがあります。長期間の常設にはスチール、高級感を出したい場面にはアクリルが向きます。段ボール什器が得意とするのは、数週間から数か月の期間限定の売り場です。
M企画では紙製・アクリル・スチールの什器と販促ツールを扱い、設計から納品までを一貫して手がけています。扱っている什器の種類は事業紹介ページをご覧ください。
段ボール什器が選ばれる4つのメリット
段ボール什器が販促の現場で広く使われているのは、他の素材では両立しにくい利点がそろっているためです。代表的な4つを整理します。
軽く、折りたたんで保管できる
段ボール什器は軽いため、店舗のスタッフが1人でも運べます。組み立て前は平らな状態なので、輸送時にかさばりません。
多店舗へ同じ什器を配る場合、この差がそのまま配送費と保管場所の差になります。使わない期間は折りたたんでおける点も、バックヤードが狭い店舗では利点になります。
形状と印刷の自由度が高い
紙は切る、折る、抜くといった加工がしやすい素材です。商品の形に合わせて棚の高さを変える、キャラクターの輪郭に沿って外形を抜くといった対応ができます。
面全体に印刷できるため、什器そのものを広告面として使えます。金型を必要とする成形品と比べ、形を変えるときの負担が小さいことも特徴です。
残る2つは、コストとリサイクル性です。段ボール什器は組み立て式で金型を必要としないため、少ない数量でも製作しやすく、役目を終えたあとは古紙として分別できます。業界全体の生産量やリサイクルの取り組みは、全国段ボール工業組合連合会の統計・発表資料で公開されています。
導入前に押さえておきたい段ボール什器の注意点
メリットの裏側には、紙という素材ゆえの制約があります。あらかじめ把握しておけば、設計で対処できるものがほとんどです。
水濡れと長期設置に弱い
紙は水分を含むと強度が落ちます。店舗の出入口付近や屋外に近い場所では、雨や結露の影響を受けることがあります。
また、長期間にわたって荷重がかかり続けると、たわみが生じる場合があります。年単位で常設する売り場には、スチールなど他の素材を検討したほうが結果的に無駄がありません。
置く商品によって構造の検討が必要
飲料やレトルト食品のように重量のある商品を並べる場合、棚板の構造を工夫しなければ陳列中に沈み込みます。缶詰を数十個載せる什器と、菓子を並べる什器では、必要な設計がまったく異なります。
設置場所ごとの什器の種類や、紙・アクリル・スチールの使い分けについては、販促什器の種類と選び方を解説したコラムで整理しています。あわせてご覧ください。
耐荷重を左右するのは紙の厚みではなく構造
段ボール什器で最も相談が多いのが耐荷重です。厚い紙を使えば丈夫になると思われがちですが、実際に強度を決めるのは荷重の受け方、つまり構造です。
荷重を受ける面をどこにつくるか
段ボールは、波状に加工した中芯を2枚のライナーで挟んだ3層構造でできています。この波の高さと間隔はフルートと呼ばれ、厚いフルートほど衝撃を吸収し、薄いフルートほど印刷がきれいに仕上がります。
中芯は波が立っている方向に強く、横から押す力には弱い性質があります。棚板を支える部材をどこに入れるか、側板をどう立てるかで、同じ材料でも耐えられる重さが変わります。
棚板の下に支柱を通す、天面と底面をつなぐ仕切りを入れるなど、見た目を損なわずに強度を上げる方法があります。素材の等級を上げる前に、まず構造で解決できないかを検討することが有効です。
見積もり前に決めておきたい項目
適切な構造を決めるには、何をどれだけ載せるかという情報が欠かせません。M企画では、お見積もりにあたって次の項目をうかがっています。
- 商品
- 商品の重さ
- 展示する商品の数
- ディスプレイ・什器のタイプ
- 印刷の有無、色数
- 制作個数
これらが決まっていれば、構造と仕様の検討を具体的に進められます。各項目の詳細はよくある質問にも掲載しています。
印刷・加工でできることとデザイン上の注意
段ボール什器は印刷できる面が広く、売り場での見え方を大きく左右します。ここでは仕様を決めるときの考え方を整理します。
印刷方式と色数の考え方
印刷のコストは、面積よりも色数と製作個数の影響を受けます。全面を鮮やかに印刷する仕様と、一部に色を限って印刷する仕様では、仕上がりも費用も変わります。
売り場で目に入るのは、什器の上部と正面がほとんどです。予算に制約がある場合は、視線が集まる面に印刷を集中させると費用対効果が高まります。
デザインデータの準備
デザインは、お客様からデータをご提供いただく方法と、当社のデザイナーが制作する方法があります。当社デザイナーが担当する場合は、別途デザイン代が必要です。
什器は平面ではなく立体のため、折り目をまたぐ位置に文字やロゴが来ると読みにくくなります。展開図の段階で配置を確認しておくと、刷り直しを避けられます。
M企画では、打ち合わせ、設計、製造、納品という流れで進めています。各工程の内容はこだわりのページに掲載しています。
段ボール什器に関するよくある質問
Q. 納期はどのくらいかかりますか?
仕様とデザインが決定し、ご注文をいただいてから約10週間で納品しています。制作内容によっては、これより早く納品できる場合もあります。ご要望や加工の頻度によって前後します。
Q. 紙以外の素材の什器も相談できますか?
スチール製の什器などの制作にも対応しています。設置期間や商品の重さによっては、紙以外の素材を組み合わせたほうが適している場合もあります。用途をうかがったうえでご提案します。
Q. デザインデータがなくても依頼できますか?
お客様にデータをご提供いただく方法と、当社のデザイナーがデザインする方法があります。当社デザイナーが担当する場合は、別途デザイン代が必要となります。
Q. どのようなかたちで納品されますか?
組み立てて納品、折り畳んで納品、複数個をセットにしてケースで納品など、ご要望に合わせたかたちで対応しています。店舗へ直接お送りすることも可能です。
まとめ
段ボール什器は、軽さ、加工の自由度、少数からの製作しやすさ、リサイクル性という利点を持つ販促ツールです。一方で水濡れや長期設置には弱く、重い商品を載せる場合は構造の検討が欠かせません。
仕上がりを左右するのは、紙の厚みよりも荷重の受け方と印刷面の決め方です。載せる商品と設置期間が決まった段階で相談すれば、無駄のない仕様に近づきます。
M企画は紙製什器とPOPを社内で一貫して製作し、大手コンビニエンスストアチェーンや製薬会社、電機メーカーのお客様から継続してご発注をいただいています。納期やロットの大小にかかわらず対応しますので、構想の段階からご相談ください。


